煩悩の城 【BL貧乏生活】
瞳を閉じて、そして愛して
»Amazon過去形だけどハンディキャップ受なのと、愛情からでなく負の感情から攻が受を無理矢理に〜な展開に釣られて(←最後にはラブラブハッピーになるのが前提の切ない鬼畜展開好きw)、未読作家さんなのですが突発的に購入。
基本の作家買いだとそれほど大外れはない(微妙な外れはある)けど、設定買いだと予想外の萎えポイントに遭遇することもあるので、期待と不安半々で読み始めました。
角膜移植によって視力を取り戻した受が、ドナーの記憶としか思えない情景を求めただ一人金沢に向かい、その旅先で不思議な懐かしさと慕わしさを覚える青年(攻)と出会い、惹かれる心のままに行動を共にする。
――という、不思議系というかブラック・ジャックでこんなネタ読んだような気が的ネタの話です。
あらすじからも、この受って結構強気?と思ってはいたんですが、予想以上に押しが強く積極的で前向きしかも素直な子な亨にまず軽く違和感が。(日頃、健気受とか弱気受とか自虐受とか、或いは性格に難がある受CPを読むことが多いせいかも?)
対する攻は、白血病を発症した恋人(♀)の傍にいるために内定していた就職を蹴り飛ばす情熱家で(良く言えば)、何年も恋人を亡くした悲しみに浸り続けて現実を見ない、思い込みの激しい亡き恋人一筋男。
なのに亨に対する苛立ちと勘違いから「慣れてみたいだし誘ってるから」との超論理の元、強引にヤっちゃったり、その割に後で罪の意識にかられて亨を振り切れなかったりと、なんだかなあ。
基本設定(不思議な記憶)とか、攻への想いは本当に自分自身の気持ちなのかと疑う受とか、昔の恋人に囚われた攻への報われない想いに苦しむ受とか、シチュエーションとしては非常に萌えツボだったんですが、メインキャラの性格と話の転がり方が好み的に微妙でした。
無理矢理初体験の割に亨が感じまくってるのも残念。個人的には、ここはやはり攻への想い故に苦痛だけの行為に耐える受を見たいところ。
状況証拠から亨に移植された角膜が亡くした恋人のものだと確信した後の土岐の、亨に対する態度の豹変っぷりがまた凄い。
まさに“掌を返す”という言葉の見本のような言動は、呆れるを通り越して笑えます。
恋人の一部が含まれている=恋人認定?しかも相手が男でも全然無問題?ナチュラルにいろいろとしちゃってるけど。(いやまあ元々勢いで手を出せる程度には男でも平気みたいですが。)
土岐に優しく扱われ好意を表されても、それが自分に対するものでないことが分かるだけに亨はかえって悲しみを覚えるのですが、これだけ露骨に態度を変えられたら当然といえば当然ですね。
これって傲慢強引攻とか暴力冷酷攻とはまた違った酷い攻な気が……。
交通事故で失った視力を角膜移植で取り戻し、念願の大学合格を果たした一之瀬亨は、導かれるように訪れた金沢で一人旅の男・土岐和征に出会う。
彼の姿を見たとたん溢れる涙を止められず、亨は常にはない強引さで一緒に観光をしようと申し出る。
しかし、亡き恋人を想い縁の地を訪れようとしていた土岐にとって、天真爛漫そうに見える亨は感情を逆撫でするだけの存在。
その苛立ちをぶつけるように、懐く亨を無理やり抱いてしまうのだが…。
古都が舞台のミステリアス・ラブ。全編書き下ろし。
【鹿能リコ / ジキル 二見書房 シャレード文庫 2008年4月】
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